2010/07/13

『奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅』


建築に限らず、物を作る人が読んだら初心に帰れるのではないかしら。
作るときの心構えや情熱、蓄積され・準備された知識の重要性、仕事の環境を整える事の大切さ・・・
言ってみれば当たり前の事を再認識させられます。

その意味では、注文する側の人間にもぜひ読んでもらいたいかな・・・
設計者や施工者だけが何かを生み出すのではないと言うことを再認識させられます。


昭和30年代の『公団』のお話しです、集合住宅を沢山作った公団の若かりし頃のお話です。
都市に人が集まりだし、大量に住宅を必要とした時に、良質な集合住宅を作ろうとしたチームの事が中心に語られています。

奇蹟の団地、阿佐ヶ谷住宅と呼ばれている集合住宅が有るそうです、僕も初めて知りました。
掲載されてる写真は魅力的な外部空間の溢れるばかりの緑が写っています。

本当に都内に有るの??みたいな感じです。
当然実物を見てみたい気持ちに駆られます、邪魔にならないように訪れてみたい。


建築の設計、ランドスケープのプロなど、集合した面々は日本建築界に足跡を残している能力のある方達ではありますが・・・
才能も有るに越した事ないけど、必ずしも天才ではなくとも志のある訓練されたプロがしっかりと作る事に向き合うと良い物ができるんだ、と感じさせられる本です。
そして、物を作らせる側の度量や知識も何かを生み出す事に重要な要因である・・・と、書かれています。


図面や写真の読解は建築の専門家の方が慣れているとは思いますが、間取り図は誰だって引越しの時に見比べるし、是非皆さん手にとってご覧になると良いと思います。
読みやすい文章で書かれています。